米油は健康に悪いので科学者が一刀両断します
本日は健康に悪いにも関わらず何故か巷で評価が高い「米油」の成分を紹介し、何故健康に悪いのかをお伝えしたいと思います。
科学者としてぶった斬ります
なお、米油の悪さを理解するために、油の基礎知識にも少し触れておきたいと思います。また最後に、米油の代わりにおすすめの油もご紹介します。
では行きましょう。
油の基礎を理解する|油の構造と脂肪酸組成
最初に油の基礎知識について軽くご紹介しておきます。こちらの記事でも紹介しましたが、油(脂肪)は3つの脂肪酸とグリセリンが繋がった構造をしています。
図にするとこんな感じ↓
この脂肪酸にはいろいろ種類があります (ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などなど・・・)。
つまり、いろんな種類の脂肪酸から3個選んでグリセリンと繋げたものが油(脂肪)です。
オメガ3とかオメガ6などは、この脂肪酸のことを言っています
例えば、オレイン酸&リノール酸&パルミチン酸を使った油(脂肪)はこんな感じになります↓
気になる人のために構造式にするとこんな感じです↓
これで油の正体がわかったね!!
続いて、脂肪酸の種類をより詳しく見て行きましょう。
脂肪酸組成の基礎知識|構造から脂肪酸の分類を知る
脂肪酸には以下のような分類があります↓
脂肪酸はまず「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分類されます。さらに、飽和脂肪酸は「短鎖」「中鎖」「長鎖」に、不飽和脂肪酸は「オメガ3」「オメガ6」「オメガ9」にざっくり分類されます。
大体6種類の脂肪酸があるんだね〜
上の図はでは、それぞれの分類に属する脂肪酸の名前と代表的な脂肪酸の化学構造式を乗せています。
飽和脂肪酸は化学構造式のニョロニョロした部分(炭素鎖といいます)が長いか短いかで分類されています↓
また、不飽和脂肪酸は化学構造式の二重線(不飽和結合といいます)が、端っこから数えて何番目出現するかで分類されています↓
以上で、油の構造と脂肪酸組成について理解することができましたね!
これであなたも油マスター
重要なポイントとなるのは、上記の油の種類によって人体に及ぼす影響が変わってくることです。
ここからは、油の種類と健康という観点でお話を勧めていきたいと思います。
健康に良い油、悪い油の見分け方|脂肪酸組成から見分ける
さて、最初に結論をお伝えすると、健康にいい油は以下のものです↓
・短鎖脂肪酸
・中鎖脂肪酸
・オメガ3
・オメガ9
反対に要注意の油はこちら↓
・長鎖脂肪酸
・オメガ6
先程の分類表に色分けするとこんな感じです↓
中鎖脂肪酸はココナッツオイルやMCTオイル、オメガ3は魚やえごま、オメガ9はオリーブオイルでおなじみの健康に良い油です。反対に一番気をつけていただきたい油がオメガ6系の油になります。
オメガ6に注意!
オメガ6系の油は必須脂肪酸と呼ばれ、体内で合成できないので必ず食品から摂取する必要がある油です。しかし、オメガ6を摂取しすぎると体が炎症を起こしてボロボロになることが分かっています。
オメガ6系の油はありとあらゆる食材に含まれており、特に現代の食生活ではほぼ確実に過剰摂取の状態なので、なるべく摂取を控えたい油になっています。
必須脂肪酸だけど、みんな摂りすぎていてやばい油ってことです。
少し詳しく説明すると、オメガ6系の油はオメガ3系の油と体内で競合関係にあるのでバランスが大切です。オメガ3とオメガ6の摂取バランスは1:1〜1:2が理想と言われており、バランスがいいほど炎症が少なくなり、健康に良いことも分かっています。
現代人は1:10~50くらいでオメガ6に偏っています。
なので、現代人はオメガ6の摂取量を減らし、オメガ3・オメガ9などの油へ置き換えていくことが望ましいと言うわけです。
米油の脂肪酸組成と健康への影響
以上、油と脂肪酸組成の話に加え、オメガ6の過剰摂取が健康に悪いというお話をしました。
さて、油の知識を身につけたところで、米油の脂肪酸組成を確認してみましょう↓
はい。
米油が健康に良いわけない
とお分かり頂けるかと思います。
オメガ6が豊富に含まれているよね。
米油は脂肪酸組成から考えて、根本的に健康に悪い油に分類されるということをしっかり覚えておきましょう。
一方米油には、微量栄養素として有益な成分もあり、それが過大評価されて健康にいいというイメージができています。
根本的な油の組成は悪いけど、健康に良い成分も入ってるってことね
米油中の健康にいい成分もさらっと紹介しておきます↓
・γ-オリザノール:
コレステロールの吸収を抑えたり、更年期障害を緩和したりします。
・トコトリエノール:
ビタミンEと似た構造の成分。抗酸化力がビタミンEの50倍ありますが、トコトリエノール自体が酸化しやすいので有効な時間は短いです。
トコトリエノールやオリザノールの効果を主張した過剰な宣伝をよく目にしますが、米油は根本的な油の組成が健康に悪いので騙されないように気をつけましょう。
吉沢としては、下記のような解釈を間違えたサイトが上位表示されることに危機感を覚えています↓
おすすめの油を脂肪酸組成と一緒にご紹介
さて、米油が健康によろしくないことはご理解いただけたかと思いますが、これだけだと批判しただけで終わってしまうので、代わりにおすすめの油をご紹介しておきます!
おすすめの油はこちら↓
・EXVオリーブオイル
・ココナッツオイル
・えごまオイル
順に脂肪酸組成とおすすめの商品を確認していきましょう!
EXVオリーブオイル
ご覧の通り、オリーブオイルはほとんどオメガ9で構成されており、オメガ6が少ないのでとても使いやすいオイルです!
私の普段使いはオリーブオイルです!
ただ、スーパーで売られているEXVオリーブオイルは、質が悪いものが多くて臭みが強いです。きちんとしたオリーブオイルはとってもまろやかで美味しいので、一度試してみていただければと思います。
例えば以下のオイルがおすすめです↓
1.GOYA エクストラヴァージンオリーブオイル
カルディでも買える、スペイン産の苦味と辛味が強い早摘みオリーブオイル。酸度は0.4%以下です。
スペイン産の苦味と辛味が強い早摘みオリーブオイル。酸度は0.4%以下です。 リンク2.EXVオリーブオイル・メッシーニア・山のオリーバ
ギリシャ産の青々しく、濃厚でピリッと辛い味わいのオイル。比較的安価なので、まずはこれから試してみるのもおすすめです。
その他、オリーブオイルの等級や選び方はこちらの記事で詳しく解説しています。
ココナッツオイル
ココナッツオイルは話題の「中鎖脂肪酸」がメインのオイルです。中鎖脂肪酸は分解が早く、すぐにエネルギーになるため体に蓄積されにくいという特徴があります。
カレーとか加熱調理に使うことが多いです!
価格が高いのが痛手ですが、結構美味しいので試してみていただけると幸いです↓
えごまオイル
えごまオイルはほとんどオメガ3で構成されており、オメガ6過剰摂取の対策になるオイルです!熱にめっぽう弱いので、絶対に加熱せずに使用しましょう。
納豆にかけると美味しいよ
製法はコールドプレスで、酸化対策を施した容器にはいった製品がおすすめです↓
価格は目が飛び出るほど高いです。笑
まとめ
以上、油の基礎知識とオメガ6系脂肪酸の過剰摂取が問題であることをお話し、米油はオメガ6主体なので健康に良くないというお話をしました。
医学的にも、オメガ6は炎症を促進することが分かっており、その炎症は動脈硬化や老化に関わってきます。
米油→炎症促進→不健康!
ということで、キチンとした知識を持った上で商品選びをしていけると良いですよね。NATS.では今後も科学者目線で皆様に役立つ情報を発信していきます!
ではまた!!