誰でも「がん」になる時代
現在、男性の2人に1人、女性の3人に1人が生涯にがんにかかる可能性があると言われています。
(厚生労働省より)
毎年、死因で最も多いのも「がん」です。死に至らない場合でも、「がん」による身体的・金銭的な負担は大きく、絶対に避けたい病気です。
そんな「がん」も食生活に気を付けるだけで、大幅に罹患リスクを回避できるんです!
(参考:松生 恒夫 ,『オリーブの健康世界: 地中海型食生活をささえる驚異のひとしずく 』,河出書房新社 ,2013年)
「脂肪」の種類がリスクを分ける?
とある研究により、脂肪摂取量の少ない日本は、脂肪摂取量の多いアメリカよりも、大腸がんでの死亡率が低かったことがわかりました。
しかし、脂肪摂取量が同等のイタリアとアメリカを比較したところ、イタリアの方が死亡率が低いことが判明したのです。
→脂肪の量ではなく、脂肪の内容の違いによるものだとされています。
イタリアでは、アメリカよりもオリーブオイルの摂取量が多く、肉や乳製品などの動物性脂肪の摂取量が少なかったのです。
オリーブオイルのフェノール成分の一つ、ヒドロキシチロゾールは、結腸がんの増殖を抑制するという論文も出ています。(英国リーディング大学化学食品薬学部より)
動物性脂肪には、飽和脂肪酸が多く含まれており、これが炎症細胞の受容体(TLR4)に結合して、炎症を起こすことがわかっています。
対して、魚の脂に含まれる、EPAやDHAには慢性炎症を抑制し、がんを抑制する効果があります。
「赤身肉」に注意!
また、「鉄分」と「脂(油)」が一緒になると、活性酸素を生成する、フェノン反応という鉄の酸化を促進してしまうことがわかっています。
活性酸素は、発がんにも大きく関わっています。
この、「鉄分」と「脂(油)」を同時に供給してくれる牛や豚の赤身肉の食べすぎには注意が必要です。
さらに、しっかりと火を通したウェルダンのお肉を好む人の方が、大腸がんになりやすいという結果も出ているので、食べる際には焼き過ぎには注意しましょう。
もし、赤身肉を食べるなら、放牧で牧草を食べて育った「グラスフェッドビーフ」がおすすめです!
動物性脂肪でありながら、不飽和脂肪酸のオメガ3が多く含まれているので、発がんリスクも低いです。
(「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」の著者は、グラスフェッドの牛は植物性食品と言っているほどです(笑))
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リスクを下げる野菜
別の論文では、キャベツやブロッコリー、チンゲン菜などの「アブラナ科」の野菜の摂取が、がんの予防に関与しているという結果を出しています。
ただし、たくさん食べれば食べるほど、大腸がんの罹患リスクが下がるというわけではないので、ある程度の量を食べていればOKです。
結局、地中海料理が最強説
がんの罹患リスクを下げる食べ物をこうしてみていくと、オリーブオイルをふんだんに使い、魚や野菜を中心に摂取している地中海料理にぴったり当てはまります。
実際、ギリシャやスペイン、イタリアなどの地中海地域ではがんの罹患リスクが低いという結果も出ているのです。
はじめに、1960年の研究で日本人の脂肪摂取量は低く、がんでの死亡率が低かったと示しましたが、現在の脂肪摂取量は、その時に比べて3倍以上になっており、食生活も大幅に変化しています。
昔は健康食の代表であった日本食ですが、現在の日本人の食生活を考えると、糖質や低質な脂質が多くなっているように思います。
ぜひ、みなさんも地中海料理をお手本にがんにならない食生活を目指しましょう!