ミルボンディーセス|エルジューダエマルジョン+の成分を化学者が解説
大人気商品「ミルボンディーセス|エルジューダエマルジョン+」の全成分と効果を分析していきたいと思います。
洗い流さないヘアトリートメントとして、@cosmeでもとても評判が良いようです。
本日はそんな大人気トリートメントの正体を、化学者が徹底的に解析していきたいと思います。
エルジューダエマルジョン+が気になる方、購入を考えている方の参考になれば幸いです。
エルジューダエマルジョン+の全成分
最初に、エルジューダエマルジョン+の全成分をご紹介します!
全成分はこちら↓
水、シクロメチコン、ジメチコン、DPG、安息香酸アルキル(C12-15)、セテス-150、タマリンドガム、ラウレス-2、ラウレス-9、ステアルトリモニウムクロリド、加水分解バオバブエキス、カルボキシメチルジスルフィドケラチン(羊毛)、ポリクオタニウム-65、バオバブ種子油、アルガニアスピノサ核油、加水分解コラーゲン、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ラウリルベタイン、クオタニウム-80、PEG-11メチルエーテルジメチコン、アミノプロピルジメチコン、アモジメチコン、ジメチコノール、PG、BG、エタノール、AMP、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノン、香料
これらの成分を配合目的ごとに分けると以下のように分類できます。
【水系基材】
水、DPG、PG、BG、エタノール
【オイル系基材】
シクロメチコン、ジメチコン、安息香酸アルキル(C12-15)、バオバブ種子油、アルガニアスピノサ核油、ジメチコノール
【界面活性剤】
セテス-150、ラウレス-2、ラウレス-9、ステアルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-65、ラウリルベタイン、クオタニウム-80、PEG-11メチルエーテルジメチコン
【補修成分】
加水分解バオバブエキス、カルボキシメチルジスルフィドケラチン(羊毛)、加水分解コラーゲン
【感触改善成分】
(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、アミノプロピルジメチコン、アモジメチコン、
【その他】
タマリンドガム、ヒドロキシエチルセルロース、AMP、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノン、香料
はい、ギンギンのシリコン、界面活性剤まみれのヘアオイルです。
ぱっと見て、嫌悪する人もいるかな〜と思う成分ですが・・・
これらの成分について、順に詳しく見ていきましょう!
水系基材
この商品は「髪の乳液」のような構成で、水系の基材とオイル系の基材が土台になっています。
水系基材として使用されている成分がこちら↓
【水系基材】
水、DPG、PG、BG、エタノール
化粧水でもよく見られる成分達が配合されていますね。
DPGとエタノールは刺激が強いため、化粧水では敬遠される成分です。
ただ、髪に付けるだけなら問題ないのかなと思います。
オイル系基材
続いて、オイル系基材として使用されている成分がこちら↓
シクロメチコン、ジメチコン、ジメチコノールは「シリコン系」の材料です。
シリコン系の材料は髪の毛をツルツルさせる作用を持ちます。
成分表示的に、殆どシリコンでできてます。
安息香酸アルキルは「合成ワックス」です。
軽い使用感が特徴で、使用感の調整のために使用されていると思います。
バオバブ種子油とアルガニアスピノサ核油(=アルガンオイル)は「植物油脂」です。
成分表示から読み取ると、配合量は微量です。
※成分表示には細かなルールが決められています。今回の場合ラウレス-2より後に書かれた成分は微量と推察できます。
でた!アルガンオイル・・・
どちらも、酸化しやすい油なので「入れなくてもいいのでは?」と思ってしまう成分です。
シリコンは悪い成分ではありませんが・・・全体的に安っぽいオイル基材が使用されていますね。
界面活性剤
続いて、界面活性剤を見ていきましょう。
この項目を見ただけで使用をやめる人がいそうなくらい、大量の界面活性剤が使用されています。
これらの界面活性剤をもう少し詳しく分類すると、以下のようになります↓
【非イオン系界面活性剤】
セテス-150、ラウレス-2、ラウレス-9、PEG-11メチルエーテルジメチコン
【陽イオン系界面活性剤】
ステアルトリモニウムクロリド、クオタニウム-80
【両性界面活性剤】
ポリクオタニウム-65、ラウリルベタイン
非イオン系界面活性剤
非イオン界面活性剤とはイオン化しない界面活性剤ということです。
※イオン化については各自勉強をお願いします。
本製品の水系基材とオイル系基材(水と油)を混ぜるために配合されています。
刺激はあまり強くありませんが、界面活性剤は全般的に皮脂膜の性質を変え、皮膚膜が薄く・肌が弱くなってしまうという問題があります。
使い続けるのはオススメできないかな〜
陽イオン系界面活性剤
陽イオン界面活性剤とはプラスに電荷を帯びる界面活性剤です。
髪の繊維と繊維の間の滑りを良くし、肌触りを柔らかくする成分です。が。
この陽イオン系界面活性剤・・・
めちゃめちゃ刺激が強い要注意成分なんです。
「ステアルトリモニウムクロリド、クオタニウム-80」は両方とも刺激が強い成分です。
(この辺はかずのすけさんも注意喚起をされていますね)
!!!
さらに、陽イオン界面活性剤の難点は刺激の強さだけに留まりません。
なんと、「皮膚障害」「化学物質過敏症」「喘息」などの原因になるとも考えられています。
刺激が強い上に喘息の原因にも・・
ということで、注意すべき界面活性剤が使われている商品と言えますね
両性界面活性剤
両性界面活性剤として「ポリクオタニウム-65、ラウリルベタイン」が配合されています。
これらの界面活性剤は、強すぎる陽イオン界面活性剤の刺激緩和のために配合されています。
補修成分
続いて、髪の補修成分を解説します↓
髪の大部分はケラチンというたんぱく質でできています。
洗髪やドライアーの繰り返しによってケラチンが髪から流出すると、髪のしなやかさが失われると考えられています。
そのため、ヘアケア製品の多くに「ケラチンを補う」または「ケラチンが流出しないように保護する」補修成分が配合されます。
そういう理屈なのね〜
カルボキシメチルジスルフィドケラチン(羊毛)は、ミルボンが開発した「髪から流出しにくいケラチン」です。
ケラチンを補うのに良好な成分です。
他方、加水分解バオバブエキスと加水分解コラーゲンは、髪のキューティクルを整えケラチンの流出を防ぐ目的で配合されていると思います。
※髪の構造に関してはコチラを参照ください。
補修成分としては良いものが使われていますね。
感触改善成分
続いて、感触改善のための成分です。
(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーは高分子系の材料、アミノプロピルジメチコン、アモジメチコンはシリコン系の材料です。
いずれも髪の表面をコーティングすることで、指通りを滑らかにする材料です。
アレルギー性や安全性に関するデータが少ないため、安心して使える成分なのか不明です。
その他
その他、以下の成分が配合されています↓
【その他】
タマリンドガム、ヒドロキシエチルセルロース、AMP、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノン、香料
タマリンドガム、ヒドロキシエチルセルロースは増粘剤です。商品の粘性(粘り気)を調整するために使用されています。
AMPはpH調整のために利用されています。
インクや化粧品でたまに使われるよ
フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノンは防腐剤です。
刺激はそこそこある防腐剤ですが、髪ならいいのかな?と思います。
香料は香り付けに配合されていますが、具体的に何が使われているか不明です。
おそらく、合成香料の何かを入れていると思います。
精油を使っているならアピールするもんね。
まとめ
以上、エルジューダエマルジョン+の成分を解説しました。
各成分の評価をまとめると以下のようになります↓
水系基材:
刺激強めの材料がある
オイル系基材:
ギンギンのシリコンと酸化に弱い油脂
界面活性剤:
乳化剤と、刺激が極めて強い陽イオン界面活性剤
補修成分:
流出しにくい良好なケラチン
感触改善成分:
シリコンと高分子ポリマー
その他:
刺激強めの防腐剤と、おそらく合成香料
使った後は髪の毛がツルツルになると思いますが、使い続けたい成分ではありませんね。
ということで・・・
ミルボンディーセス|エルジューダエマルジョン+
成分評価:★☆☆☆☆
全体的に刺激強め。チープな印象。
特に界面活性剤は要注意。
@cosmeでの評価は高いですが、価格には見合わないと思います。
ではまた!!