革製品のお手入れはお肌の手入れと殆ど同じ
こんにちは、吉沢です。本日は「革財布手入れ用のワックス」と、「革に水分を与える液」を自作していこうと思います。
私先日、抵当流れのような扱いの革財布を手に入れました↓
とってもお値打ちだったこの革財布、結構年季が入っているんですよね。そこでツルツル&良い手触りにしたいな〜と思い立ち、お手入れの理屈を勉強し始めたのがキッカケです。
まず、お手入れの目的をみていきましょう。
ワックスのお手入れ|目的と理論
お手入れの目的と効果がこちら↓
艶と光沢により見栄えを良くし、乾燥から守ることで長持ちさせ、柔らかくすることで感触を良くするということが分かります。
単にピカピカさせるだけじゃないんだね。
革は「生きている素材」とも言われ、素材になった後も、湿度を適度に吸収・放出する性質と柔軟性に優れています。しかし、加工されて製品になると、油分や水分を自ら得ることができなくなり、何のケアもしなければどんどん乾燥して劣化も進みます。
そこで、乳化性クリームなどで『水分』を与えて潤し、油性クリームやワックスで『油分』を与えて質感や表面を整えることがお手入れの本質なのです。
そうだったんだ!
ということで・・・
合理的に、『革に水分を与えれるもの』と『革に染み込みやすく表面を被覆できるワックス』を作ればいいじゃん!!
と考えました。そこで、革の構造を前提に、湿潤剤とワックスの設計を開始しました。
湿潤剤とワックスの設計
まず、湿潤剤を設計しました。組成はコチラ↓
水に1.3-ブタンジオールと1,2-ヘキサンジオールを加えることで、表面張力を下げつつ腐らないようにしました。とりあえず水分を与えれれば良いので、適当な割合で混ぜました。
表面張力を下げることで、水が染み込みやすくなるよ
続いて、ワックスを以下のように設計しました。
プロダクトワックス作成の記事でも登場していますが、蜜蝋は高融点の固体ワックスです。革のお手入れにおいて、光沢の決め手となる材料です(
また、N.ポリッシュオイルの記事でご紹介しているように、シアバターは艶出しの要となる材料です。
ミツロウとシアバターで光沢と艶・・・メモメモ
マカダミアナッツオイルは浸透性が高く、革を柔らかくする特徴をもった植物油脂です。革を柔らかくして、質感を良くするために加えました。
ベチバー精油は香り付けで入れています。なくても大丈夫です◎
スキンケアオイルと同じような構成になったね
上記のような考えで、光沢・艶を出しつつ質感が良くなるようなワックスを作成しました。
お手入れ開始!
早速、上記の湿潤剤とワックスを使って革財布のお手入れをしていきましょう!
お手入れの手順はコチラ↓
①湿潤剤を吹き付けて布で擦る
スプレーボトルに入れた湿潤剤をつけながら、フキフキしていきましょう。革の汚れを落とすと同時に水分を与えています。
②指でワックスを塗る
一通り吹き終わったら、指でワックスを塗っていきましょう!細部まで細かく、全体的に塗るのがポイントです!
③ワックスがついた布で、ワックスを均一にする
最後に、ワックスがついた布で革全体を擦り、ワックスを均一にしていきましょう。ワックスで革の毛穴を埋めることで光の反射を均一になり、ピカピカに輝きます。
これで手入れは完了です!!
ビフォーアフター
さて、お手入れが完了しましたので、お手入れの結果を確認しましょう!
結果がこちら↓
・・・見違える程綺麗になりました!!
光沢と艶の感じが大きく変わり、高級感が溢れ出しています。また、マカダミアナッツオイルのおかげで質感が柔らかくなり、手触りがとても良くなりました。
すっご。
ここまで綺麗になるとは思ってなかった。。。
ついでに、他の革財布も手入れしました↓
こちらも艶と光沢が変わり、高級感が増しました。
まとめと改良
以上、自作の湿潤剤とワックスで革の手入れを行い、見事高級感溢れる状態に仕上げることが出来ました!
改良ポイントとして、もう少し光沢は強くても良かったかな〜と思います。なので、次回作成する際は以下のようなワックスに改良しようと思っています↓
ということで、お家時間で革財布や靴の手入れをしたい方、是非試してみて下さいね!
ではまた。