お金持ちになるためのお金の勉強|〜富裕層/貧困層と貧富の差〜
今回は貧富の差について記載していきたいと思います。
第一章をまだお読みでない方は、以下のリンクからお読み頂けますと幸いです。
一連の記事を読むことで、読者の皆様のお金に関する教養に貢献できるよう最善を努めます!
※参考図書はこの超超超分厚い名著『お金と人生』↓
ではいきましょう!!
世界の富と分布
【世界の富と分布】
世界の富の合計:418兆ドル(2020年)※
アフリカ:5超ドル
アジア太平洋:75兆ドル
中国:75兆ドル
インド:13兆ドル
欧州:103兆ドル
中南米:10兆ドル
北米:136兆ドル
富裕層/貧困層を定義する前に、世界全体の富についてお話したいと思います。
2020年の時点で、世界における富(純資産ー負債)の合計は418兆ドルとされています。世界の富の内、約半分がヨーロッパと北米に分布しており、約36%がアジア諸国と中国に分布しています。
世界的な富の分布を図にすると以下のようになり、世界における富の偏り(とりわけアフリカ、南米の富の少なさ)がうかがえます↓
アフリカと南米は貧しいイメージがあるよね。
上記のような国レベルのマクロな貧富の差に加え、同じ国の中でも格差が存在します。
同国内での格差を議論する時、ジニ係数(社会における所得の不平等さを測る指標)が使用されます。ジニ係数が0の場合は全く所得格差がなく、1(最大値)に近づくほど所得格差が大きいことを意味します。
具体例として、世界各国におけるジニ係数を確認してみましょう。厚生労働省からジニ係数の推移データが発表されています↓
上記の図から、どの国にも国内格差が存在することが分かります。さらに、1980年から2013年にかけて、いずれの国においてもジニ係数が右肩上がりであることが読み取れます。
すなわち、国内における貧富の差も広がる一方であり、富めるものはますます富み、貧するものはますます貧していると読み取れます。
日本でも貧富の差が拡大しつづけ、「中流階級が消失する」なんて言われてるよね〜
上記のような貧富の差は、富めるもの「富裕層」、貧するもの「貧困層」と、どちらにも属さない「中間所得層」によって形成されます。
ここからは、各階層について具体的に勉強していきましょう!
富裕層
【富裕層の特徴】
人数:人口の1%
個人資産:100万ドル以上
富の保有率:世界の資産の約半分
純資産を100万ドル(一億円)以上もつ人々のことを富裕層といいます。
富裕層は「就職と資本主義における仕事の種類」の記事でご紹介したように、基本的に経営者・投資家・資産家のいずれかに属する人々です。
お金持ちと聞くと「年収1000万以上のサラリーマン」とかをイメージしがちだけど、そうじゃないんだよね〜
そして彼らの人数・資産額ともに年々増加の一途をたどっています。
富裕層は「永続的にお金を生み出すビジネス」または「お金がお金を生み出す仕組み」を所持しているため年々資産が増加し、どんどん富んでいくという特徴があります。
特に『お金がお金を生む』という性質が、富めるものがますます富む大きな要因となっています。
お金は適切に管理すると雪だるま式に増えるんだけど、その仕組みを理解して巧みに利用しているんだね〜
現在、世界の富裕層の割合は人口の僅か1.1%ですが、世界の富の約半分を所持しています。この富の金額がますます大きくなっていくと考えられています。
上位1%が富の半分を持っている。おそろしいね。
また、富裕層の中にも階層があり、資産100万ドル以上の富裕層、資産3000万ドル以上の超富裕層、資産10億ドル以上のビリオネアから構成されています。
凄い世界だね・・・
まとめると、人口比率は1%に過ぎないが、世界の富の大部分を所有し、さらに資産を増加させ続ける人々が富裕層です。続いて、中間所得者層について勉強していきましょう。
中間所得層
【中間所得層の特徴】
人数:人口の8割ほどを占める
職業:専門技術・管理などを担当するサラリーマン
特徴:投資ではなく消費をする
特に富裕でもないが、貧しいわけでもない人々で、「購買意欲の強い消費者」としての階級を示す言葉がこの「中間所得層」。中間所得層は消費産業の牽引力になっています。
人口ボリュームが一番大きいので、マーケティングはもちろん、政治における最も重要なターゲット層でもあります。管理職・専門技術職・定年退職者など、時間売ってお金を買うタイプの仕事に属している人々で、能力やスキルの水準によって報酬の多寡が決まる特徴があります。
収入に差こそあれ、雇われ側にいる人の大半は中間所得層だよ
各国の中間所得層の平均的な収入は、年収の中央値から読み取ることが出来ます↓
【各国の年収中央値(2020年)】
ルクセンブルグ:553万円
ノルウェー:542万円
スウェーデン:532万円
オーストラリア:490万円
アメリカ:460万円
カナダ:435万円
韓国:431万円
オランダ:407万円
日本:290万円
ご覧のように、国によって中間所得層の収入には開きがあり、日本は先進諸国の中で低めの水準にあります。
日本は30年間賃金上がってないもんね〜
また、中間所得層と富裕層の違いは、「永続的にお金を生み出すビジネスやお金がお金を生み出す仕組みを構築しているか否か」という部分にあります。
「年収数千万の管理職」であっても、稼いだお金を全て消費(住宅や豪華な外食、ブランド品など)してしまえばお金が増えることはないのです。一方、お金がお金を生み出す仕組みに投資をしていけば富裕層への道が開かれます。
サラリーマンしながら投資で資産を築き、富裕層になる人もいるよね
上記のような、教養の違いこそが富裕層と中間層を分ける最大の要因と考えられています。
年収がいくら多くても、お金、ひいては資本主義に関する教養がないと富裕層になれないんだね〜
まとめると、人口の大部分を占め、年収の大小はあれど雇われの身であり、稼いだお金は全て消費し、お金がお金を生む状態を構築していない人々が中間所得層です。最後に、貧困層について勉強していきましょう。
貧困層
【貧困層の特徴】
人数:人口の10%程度
世界の基準:1日1.9ドル以下の人々
日本における基準:可処分所得127万以下
世界銀行によると「生活資金が1日1.9ドル以下の層」を貧困層と定義しています。また、日本においては「年間の可処分所得が127万円以下の層」を相対的貧困層と定義しています。
どちらの場合にも、収入の大部分が必要最低限の生活資材に当てられ、農機具、漁船や教育など稼ぎを増やすための投資に当てる余裕がないという特徴があります。
例えば、月10万円の所得で、家賃・光熱費・食費とかを払うと、ほとんど何も残らないよね〜
教育や体験に費やすお金の余裕がないので、現状をすぐに変えることが難しいというのが問題です。
まとめると、収入のほとんどが必要最低限の生活費で消費されるため、現状維持以外の選択肢が持ちにくい人々が貧困層です。
現在の政治と経済では、上記のような富裕層・中間層・貧困層という登場人物がいて、その間の格差解消が叫ばれているというわけです。
貧富の差解消を目指して|富と再分配とマイクロファイナンス
貧富の差の解消のために良く囁かれるのが「富の再分配を実施するべきだ」というものです。
しかし、一度富を再分配すれば貧富の差がなくなるのかと言えば、多くの経済学者はそうではないと見解を持っています。すなわち、一旦富をリセットしたところで富めるものはまた富むし、貧しい者はまた貧するということです。
先程までの各階層の説明でお察しの方もおられるかと思いますが、最も重要な事は『貧しい人が自分自身で豊かになる方法を見つけること』なのです。
宝くじの高額当選者の殆どが数年後には自己破産するという事実からも富の再分配では問題解決しないことが伺えます。今富を持っているかどうかではなく、富を維持するための習慣や教養が大事ということなんだよね〜。
上記のような背景の下、貧困国の貧困解消を目指してマイクロファイナンスという取り組みが行われています。
マイクロファイナンスとは、「貧困層の方々が自分の事業を起こす、または拡大するために必要な資金を担保無しで貸し出す」という取り組みです。要は、現状維持以外の選択肢を持てない貧困層に、無担保融資をすることで「事業を起こすという選択肢」を与えてあげるということです。
無担保で融資するのって、とってもリスクが高いように思えるよね〜
上記の取り組みによって、貧困に直面した方々が自分でお金を稼ぐ力を育み、貧困から脱却していく手助けになっています。
創始者のムハマド・ユヌス博士は2006年にノーベル平和賞を受賞しているよ
さて、日本の場合、貧富の差を是正するために必要なのは何だと思いますか?
貧富の差解消に本当に必要なこと。それは・・・
「お金に関する教育を平等に施すこと」ではないでしょうか?
まとめ
世界の富に始まり、国家間および国内での貧富の差、その登場人物である「富裕層・中間層・貧困層」について勉強してまいりました。
広がり続ける格差を是正する為、貧困に直面している方は最低限の軍資金が、中間層の方にはお金の教養が必要なことが理解頂けたかと思います。
富裕層になりたいよね。
現状に満足していない方は、「給料が低い」と文句を言う前に何か1つでも行動を開始してみることをおすすめします。今後もお金の教養を身につけていける記事を連載して行きますので、宜しくおねがいします!!
次回『第三章:政府とお金の関係』