お金持ちになるためのお金の勉強|〜お金の歴史編〜
こんにちは、吉沢です。本日から数回に渡ってお金に関する記事を書いていきたいと思います。
お金に関する書籍を読み渡った私。どの本を読んでも「お金持ちになりたければまずはお金について知りなさい」という旨の内容が含まれておりました。そこで書籍を参考に、お金の歴史ー銀行ー市場ー政治や人生との関わりになどついて要約し皆様と一緒に勉強していきたいと思います。
一連の記事を読むことで、読者の皆様のお金に関する教養に貢献できるよう最善を努めます!
※参考図書はこの超超超分厚い名著『お金と人生』↓
ではいきましょう!!
お金の誕生
【お金誕生の流れ】
農業の発展⇨農産物の価値の指標が欲しくなる⇨商品貨幣の誕生
通貨という概念が初めて生まれたのは、メソポタミア文明(紀元前3000年頃)だと言われています。当時は農業に対する関心が高く、農産物の売買が盛んに行われていました。そこで、売買の対象になる農産物の価値を知るための手段が必要となり、その手段として貨幣という概念が誕生します。
貨幣誕生の前はバーター制という物々交換の制度で取引が行われていましたが、物々交換では売買の利便性が悪く価値の尺度も曖昧になります。そこで、穀物の価格を国中で固定し、穀物を貨幣として使用するようになったのが貨幣の始まりと言われています。
「トマト1個は米100g」「スイカ1個は米600g」みたいな感じで、穀物を基準に農産物の価値を図れるようにしたんだね
保管や持ち運びの利便性から、次第にその役割を金や銀が担うようになっていき、これがお金という概念の始まりになります。
ちなみにこの頃のお金は『商品貨幣』という、貨幣の材料そのものの価値によって裏付けられた貨幣です。
現代の紙製の貨幣だと、貨幣そのものの価値は無いけど、金や銀の貨幣だったら貨幣そのものに価値があるよね!
商品貨幣には、金や銀の他に宝石の装飾を施した貝殻などもあります。
“硬貨”の発展
【硬貨発展の流れ】
商品貨幣⇨利便性の追求⇨硬貨の誕生⇨貨幣経済(交易)の発展
硬貨が初めて誕生したのは紀元前670年頃、トルコ東部にあったリディアという王国です。
リディア王国では「リディアのライオン」という金(73%)と銀(27%)の合金で、ライオンの頭部とその重さ(価値)が刻印された硬貨が発行されました。
日本だと「和同開珎」が有名だよね
金や銀では取引の度に重さを計量する必要がありましたが、硬貨ではその必要がなくなります。さらに、硬貨は国ごとに価値が定まっているため、国家間の交易も格段に便利になります。
このような利便性の追求により硬貨が誕生し、交易を通して貨幣経済が大きく発展していきました。
「A国の銅貨1枚はトマト1個」「B国の銀貨1枚はトマト2個」だから「A国の銅貨2枚はB国の銀貨1枚と同じ」みたいな感じで、国家間のやりとりもスムーズになるんだね。
参照:https://www.shisaku.com/blog/anatomy/post-60.html
ちなみに、この頃の硬貨も素材そのものに価値がある『商品貨幣』に分類されます。
商品貨幣から名目貨幣へ!信用という価値の誕生
【素材の価値から信用の価値への流れ】
商品貨幣⇨素材の価値が高く少額取引や製造が大変⇨さらなる利便性の追求⇨名目貨幣の誕生
前項のような流れで発展した硬貨ですが、持ち運びの不便さ・製造の大変さ・少額取引に使いにくいなどの点が残っていました。そこで名目貨幣という概念が発展してきます。
名目貨幣とは、素材自体に価値は持たないが様々な商品と交換できる貨幣のことです。名目貨幣には一つの大きな問題があります。それは、皆が価値があると信じないと貨幣として使えないという部分にあります。
「1000って書いた紙切れをあげるからスイカ1個頂戴!」って言っても、無理だよね?
その解決策として『金本位制』という制度が採用されました。すなわち「名目貨幣を持ってくれば同じ価値の金と交換してあげるよ」ということを国が保証したのです。そうすることで、名目貨幣は間接的に価値を担保することが出来ます。
「この紙切れを国に持っていけば金と交換できるんだ〜」それなら安心だね!
ということで、金の価値と国の信用の上に成り立つ『名目貨幣制度』が誕生しました。特に紙幣は運びやすく、原料とコストの面で利点が多かったので多用されることになります。
ここで、現代の日本円の素材の価値を見てみましょう↓
【日本円の素材の価値】
1円玉:3円
10円玉:13円
500円玉:20円
1000円札:17円
10000円札:17円
1円玉は3円の価値があり、逆に1万円は17円の価値しかないんです。しかし、皆が1万円札には1万円の価値があると信じているので、1万円札は1万枚の1円玉と交換できます。
よく考えると、面白いことをやってるよね〜
これが名目貨幣制度です。
金本位制の廃止
【金本位制から管理通貨制への流れ】
金本位制⇨経済発展に伴う金(きん)の不足⇨金本位制の廃止⇨管理通貨制度の普及
前項のような流れで、金の価値と国の信用に裏打ちされた名目貨幣が広がりました。ただし、経済が発展するにつれて大きな問題を抱えるようになりました。
それは、経済の発展に伴ってもっと多くのお金が必要になったのですが、そのお金を用意することが出来ないというものでした。
すなわち、金本位制では名目貨幣と金(きん)の交換を国が保証しているため、国が確保した金(きん)より多くの貨幣を発行することができないという制約があったのです。
流通させたいお金に対して、金(きん)が足りなくなってしまったんだね〜
次第に各国は金本位制を廃止し、国の信用だけを担保とした制度に移行していきます。
新しく採用されるようになった制度を「管理通貨制度」といいます。管理通貨制度では、金の保有量とは無関係に政府が自国の経済に合わせて流通貨幣を発行・管理します。
日本だと日銀が通貨を管理してるよね〜
金本位制の廃止に際して『お金が金(きん)と交換できなくなると、お金の信用が損なわれる』という懸念があったのですが、無事杞憂に終わりました。
みんな “お金に価値がある” と信じるようになっていたんだね。
なお、管理通貨制度では国の信用によって通貨の価値が決定します。国の信用とは、大部分がその国の経済力を指しており、経済的に強い国の通貨の価値が高くなります。
経済大国のアメリカ(ドル)、ヨーロッパ(ユーロ)、日本(円)の通貨が、他国の貨幣に対して価値が高いのは上記の理由によります。
タイに行くとスイカが100円くらいで買えるのは、円の価値(日本経済の信用)が高いからこそなんだよね。
ちなみに、管理通貨制度になった後のお金は “みんなが価値があると信じているただの紙切れ” です。
お金の歴史から考える仮想通貨という概念
以上が過去から現代までのお金という概念の変遷で、まとめると以下のようになります↓
【お金の変遷】
農業の発展に伴い価値の基準が欲しくなる
↓
商品貨幣の誕生(素材の価値で信用を担保)
↓
名目貨幣の誕生(金の価値・国によって信用を担保)
↓
金本位制の廃止(国のみで信用を担保)
つまり現代のお金とは、国が発行・管理を徹底することで信用を獲得し、その国の信用の上に成り立つ ”みんなが価値があると信じているなにか” です。ここから、お金の本質は “信用” であることが読み取れます 。
この教養を前提に、今話題の仮想通貨について考えてみましょう。
仮想通貨とは、管理者が不在でも取引の透明性・信頼性を担保できる金融システムのことです。詳しい説明は割愛しますが、ブロックチェーンという技術によって使用者の相互監視によって “信用” を担保することが可能になったのです。
皆がお金だと決めたものをお金として信じて使う。お金の本質的な部分だけが残ったものなんだよね。
「国が管理して信用を得る」必要がなくなり、「使用者が相互監視して信用を作る」のです。言い換えると、信用の後ろ盾が国(管理者)から使用者全員(一般大衆)に変化した通貨の概念、いわば『お金の民主化こそが仮想通貨の本質』になります。
お金の歴史に仮想通貨を組み込むと以下のようになります↓
【お金の変遷】
農業の発展に伴い価値の基準が欲しくなる
↓
商品貨幣の誕生(素材の価値で信用を担保)
↓
名目貨幣の誕生(金の価値・国によって信用を担保)
↓
金本位制の廃止(国のみで信用を担保)
↓
New! 仮想通貨の誕生(使用者の相互監視で信用を担保)
今は価格の変動が激しかったり、法律面で問題があったり、どの銘柄が覇権を握るか分からなかったり、運用方法を模索中の仮想通貨制度ですが・・・
長いお金の歴史を踏まえて考えると、全ての名目通貨が仮想通貨に置き換わっていくのは必然の流れと言えるでしょう。
単に怪しいだけのものじゃなかったのね
まとめ
いかがでしたでしょうか?
意外なお金の側面を発見された方も多いのではないでしょうか?お金の歴史とお金の本質に関する教養を身につけて頂けたのかなと思います。
今後もお金の教養を身につけていける記事を連載して行きますので、宜しくおねがいします!!