ミノンのエイジングケアオイルの成分を化学者が解説
売り切れ続出の大人気商品、「ミノンアミノモイストエイジングケアオイル」の全成分と効果を分析していきたいと思います。
石原さとみさんが愛用していると(?)話題になったこのオイル、どこの薬局に行っても『品切れ』でなかなか手に入らない程の人気です。
コスモスドラッグに1つだけ残ってたよ
本日はそんな大人気オイルの正体を、化学者が徹底的に解析していきたいと思います。
エイジングケアオイルが気になる方、購入を考えている方の参考になれば幸いです。
エイジングケアオイルの全成分
最初に、エイジングケアオイルの全成分をご紹介します!
全成分はこちら↓
ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ハイブリッドヒマワリ油、イソステアリン酸、イソペンチルジオール、グリチルレチン酸ステアリル、ポリクオタニウム-61、トコフェロール、水、カプロイルプロリンNa、BG、アラニン、アルギニン、カルノシン、アセチルヘキサペプチド-38、グリシン、セリン、トレオニン、バリン、ヒスチジン、プロリン、リシンHCl、ロイシン、グリセリン、1,2-ヘキサンジオール、水添レシチン、ラウリン酸ポリグリセリル-10
これらの成分を配合目的ごとに分けると以下のように分類できます。
【オイル系基材】
ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ハイブリッドヒマワリ油、イソステアリン酸
【水系基材】
水、BG、グリセリン
【界面活性剤】
ポリクオタニウム-61、水添レシチン、ラウリン酸ポリグリセリル-10
【アミノ酸類】
グリシン、セリン、トレオニン、バリン、ヒスチジン、プロリン、リシンHCl、ロイシン、アラニン、アルギニン、カルノシン、アセチルヘキサペプチド-38、カプロイルプロリンNa
【その他】
イソペンチルジオール、グリチルレチン酸ステアリル、トコフェロール、1,2-ヘキサンジオール
ぱっと見て、結構いい成分だと思いました。
これらの成分について、順に詳しく見ていきましょう!
オイル系基材
この商品はオイル系基材が土台となっています。
その成分たちを詳しく見ていきましょう。
抱水性の高いオイル基材です。
セラミドに似た構造をしており、「合成疑似セラミド」とも呼ばれます。
本物のセラミド(=人型セラミド)ほどの効果は見込めませんが、ベースとしては良好な成分です。
品種改良したヒマワリの種の油です。
オレイン酸の割合が多い油で保湿力が高く、酸化にも比較的強いです。
※油の基礎はコチラをご参考ください。
ベースにするにはいい成分だね。安価だし。
ベタつきが少なく、酸化に強い脂肪酸です。
特に良くも悪くもありませんが、おそらく使用感の調整のために利用されています。
以上をまとめると、オイル系の基材は「安価ではあるものの、そこそこ質の良い成分」が利用されており、コストと品質の両立を目指した製品であることが読み取れます。
水系基材・界面活性剤
この商品のベースはオイル系基材ですが、後述するアミノ酸類はオイルに溶けません。
そこで、アミノ酸類を溶かすために、少量の水系基材と界面活性剤が配合されています。
【水系基材】
水、BG、グリセリン
水系基材はいずれも低刺激・高保湿な成分が使用されており、良好な構成になっています。
界面活性剤には以下の成分が使用されています。
【界面活性剤】
ポリクオタニウム-61、水添レシチン、ラウリン酸ポリグリセリル-10
敬遠されがちな界面活性剤が3種類配合されていますが・・・
順に見ていきましょう!
保湿作用や帯電防止作用、皮膚バリア作用のある界面活性剤です。
皮膚刺激は少なめで、界面活性剤の中では比較的安心して使える成分です。
レシチンは大豆などに含まれる天然の界面活性剤です。
レシチンは酸化に弱いので、水素を添加することで酸化に強くしたものが水添レシチンです。
こちらも皮膚刺激は少なめで、界面活性剤の中では安心して使える成分です。
こちらは合成界面活性剤です。
界面活性剤としての力は弱いため、皮膚刺激性は高くありません。
以上、刺激の低い界面活性剤が使用されており、皮膚に対してかなり配慮された設計です。
しかし、界面活性剤は全般的に皮脂膜の性質を変え、皮膚膜が薄く・肌が弱くなってしまうという問題があります。
レシチンは多分大丈夫だけどね〜。
ポリクオタニウム-61やラウリン酸ポリグリセリル-10が肌に合うかどうか。
それがこの商品を使用する上で重要なポイントになりそうです。
アミノ酸類
続いて、この商品の目玉となるアミノ酸類を見ていきましょう。
【アミノ酸類】
グリシン、セリン、トレオニン、バリン、ヒスチジン、プロリン、リシンHCl、ロイシン、アラニン、アルギニン、カルノシン、アセチルヘキサペプチド-38、カプロイルプロリンNa
角質層には「天然保湿因子」という水分を保持する成分があります。
※皮膚の構造を知りたい方はコチラから。
その天然保湿因子の大半がアミノ酸で構成されているんですよね。
なので、アミノ酸を効果的に補充すれば、お肌の水分保持力が上がるという理屈です。
アミノ酸≒天然保湿因子を補う≒肌にうるおいを与える
で、この商品には天然保湿因子に多く含まれるアミノ酸が配合されています。
保湿成分として理想的なものが配合されていると言えるでしょう。
ここがとても良いです
その他の成分
この商品には他にも防腐剤・美容成分が配合されています。
それぞれ確認していきましょう。
【その他】
グリチルレチン酸ステアリル、トコフェロール、1,2-ヘキサンジオール、イソペンチルジオール
抗炎症成分として有名なグリチルレチン酸にステアリン酸を結合し、オイルに溶けるようにした成分です。
グリチルレチン酸と同様、抗炎症効果を持ちます。
トコフェロール
ビタミンEのことです。
酸化防止の効果があり、オイル系の製品には汎用されています。
1,2-ヘキサンジオール、イソペンチルジオール
いずれも防腐効果のある保湿剤です。
個人的に「パラベン」「フェノキシエタノール」よりも残留の心配が少なく、肌に合う場合は良い防腐剤だと考えています。
防腐剤も使用者のことを考えて配合されていますね。
成分評価のまとめ
以上、エイジングケアオイルの成分を解説しました。
各成分の評価をまとめると以下のようになります↓
①安価だが質は結構いいオイル系基材
②良好な水系基材
③長期使用が少し心配な界面活性剤
④理想的な配合のアミノ酸類
⑤使用者のことを考えたその他成分
界面活性剤の部分だけ目をつむれば、かなりいい商品なのではないでしょうか?
ということで・・・
ミノンアミノモイスト|エイジングケアオイル
成分評価:★★★★☆
コストに対して良好な成分。
界面活性剤にだけは注意しよう。
気になる方は使ってみても全然いいとおもいます。
以上、化学者の成分分析でした!